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2022/10/23 19:14

店主がおすすめの一冊をご紹介していく新企画『本と昼寝』がはじまりました!

もともと店主個人のInstagramにて読書記録としてアップしておりましたが、
今後はElääのコラムとしても公開していく予定です。

店主の偏った選書になってしまうと思いますが、
普段あまり本を読まれない方も、書店へ足を運ぶキッカケになれば幸いです。
(毎回ネタバレしない程度の記事にしようと思っておりますのでご安心くださいませ◎)

そして、記念すべき第1回目の本は、店主が今いちばん好きな作家よしもとばななさんの
『チエちゃんと私』です。(いつもInstagramをご覧いただいている方は、やっぱりね...と思われているかも
しれませんが...。何の意外性もない私をお許しください...!)

小説『チエちゃんと私』は、2007年の書き下ろし作品、2009年に文庫化されています。
装丁のイラストは原マスミさんによるもの。

この小説の主人公は、イタリア雑貨の買い付けをしながらひとり暮らしをしているカオリ。
そして、カオリのもとに7歳下の従妹チエちゃんがやってくることから物語ははじまります。

端から見れば心配だなぁと感じるかもしれない、カオリ(40代)とチエちゃん(30代)のふたり暮らし。
けれど、そこには外から見ただけでは想像も出来ない温もりと優しさ、きらきらとした時間があります。

表面的なことだけで判断するのではなく、そのものの中身もしっかり見よということ。
みんなと同じということが正解で、そこから外れた人たちは不正解ということでは決してないこと。
一生懸命生きる姿はいつだってきらきらと美しいこと。
ばななさんの小説は、いつも忘れかけていた大切なことを教えてくれます。
▲ばななさんの小説には、忘れたくない言葉がたくさんちりばめられているので、付箋は必須...!

もちろんフィクションなので現実のお話ではないけれど、
自分たちの暮らしをちゃんと大切にしているふたりの生き方を見ていると
生き方に決まりなんてないんだ、いろんな生き方があっていいんだよね...!となんだかほっとします。
そして、私もカオリとチエちゃんのように、自分の居場所、生き方を見つけられる日がくるかしら...?
なんてちょっとだけ未来が楽しみになったり。

世間の基準に当てはめて、自分の価値を決めちゃうなんてもったいない。
(そもそも価値のある人間、ない人間なんて考え自体が貧しいような...)
あなたのなかにはもっと大切な何かがあるでしょう?とこの本は語りかけてくれているような気がします。

▲大好きな作家さんの小説はあとがきまでしっかり読みます。
物語に込めた想い(時に納得!時に意外!)を知ることが出来る最後のお楽しみ◎


Elää店主
tomo

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